通常期とは?
立ち上げた事業が軌道に乗れば、それまでのステージに比べ、新たに投入する経営資源より回収できる経営資源のほうが多くなる回収期(=通常期)に入ります。
これまでに立ち上げに携わった人材は次の事業の立ち上げに回すなどにより、事業の固定費を減らす一方で、刻々と変わりゆく経営環境がもたらす事業リスクをいち早く察知し、対応していく必要があります。リスクは、想定外に売上が伸びなかったり競合相手が現れたりした場合のみならず、事業が想定外に拡大し、在庫や営業人員が不足するなどといった状況もあります。
通常期の課題
軌道にのったステージの事業の管理における最大の課題はリスクマネジメントです。
事業がいったん軌道に乗れば、その業務を遂行するメンバーを信じて業務を任せる、現場への権限移譲が何よりも大切です。現場の状況に即した意思決定を継続的に実施できることにより、多少の想定外の事象へは迅速に対応できるはずです。もし、現場からの報告・連絡を必要する場合は、経営層のほうから現場へアクセスし、できる限り現場が業務に集中できる環境を整える必要があります。
しかし、かえって現場サイドでは見えない事業リスク、或いは、現有の経営資源だけでは解決できない経営環境の変化が起こってしまうこともあります。現場から経営層への情報収集のための経営管理指標体系は、前ステージの事業立ち上げ後期で準備しましたが、もし管理指標数値に想定外の変化があった場合、現場のアクションを変えるといった対策を打つ必要があります。
例えば、事業がうまく行かない場合は、経営者は、まず、
@ 経営資源の外部流出を止める「止血」が先か
A なんらかの追加の経営資源を追加投入する輸血が先か
迅速に判断しなければなりません。
通常期において弊所ができること
経営層とともに経営管理指標数値の変動をウォッチし、事業リスクの芽の抽出に努めます。
一般に、経営管理指標数値の変動は様々な一過性の要因が含まれるため、大きなトレンドの変化が起こっているのか、それとも一時的な変動かを見極めることは非常に難しい場合も多いのです。